猪突猛進

乙ゲの感想置き場

大正×対称アリス HEADS & TAILS【感想】

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表か裏か、おとぎ話の舞台裏

 

<ストーリー>
猟師編
医者の家系に生まれた有栖諒士は妹の誕生によって居場所を奪われた。それから数年後、地方の大学に進学した彼は進路に悩んでいた。医者の道に進むか否かーー。
そんな時、不思議な少年と出会った。

オオカミ編
都会で両親と暮らしていた大神少年は、両親の反対を押し切って田舎の学校に入学する。その理由は小さな頃に喧嘩別れした友達と仲直りする為だった。だが、無事に「彼」とは再会できたものの、肝心の「友達」には会えないままでいた。複雑な事情を抱えた「彼」と「友達」のために大神は粉骨砕身の日々を送る。

学園アリス
鏡野学園では私の担任でしっかり者な美術教師のシンデレラ先生。真面目だけど、ちょっと照れ屋な生物教師の赤ずきん先生。にこにこと朗らかな笑顔が素敵な古典教師のかぐや先生。お菓子が大好きな後輩のグレーテル君。寡黙で読書好きな美少年の白雪君。大人で頼りになる、生徒会副会長の魔法使いさん。そして...運命の出会いをしたアリス君!
と、それぞれ個性的な7人のイケメンが待ち構えていました!さて、私はこのイケメンたちとどういう学園生活を過ごしていくのでしょうか?
明るくて楽しい学園生活が始まります!

アフターストーリー

 

<総評>
待ってましたFD!!サブキャラクター視点から見る本編のお話!!ヒロイン以外からの視点で物語が見られるので、百合花の異常性であったりとか、アリステアと百合花をサブキャラクターであるオオカミと猟師が、どのように見て関わってきたのかなど、百合花視点ではわかりずらかった所について綴られていました。私、ゲームもFDもそんなに数をこなしてはいないので、よくはわからないんですけど、FDで攻略対象外のキャラ(しかも男)視点で描かれるって、珍しいですよね??前にも書きましたが、本編から猟師に堕ちているので、猟師視点でのストーリーって聞いてから胸のざわつきが抑えられませんでした。猟師を攻略できるようになったというわけではなく、あくまでもサブキャラクターとしての視点だったのも、また良かったです(オオカミ君も)。死神と少女でもそうでしたが、藤文さんの描く兄妹が私のツボを刺激しまくりで感謝しかないです。
そして、そして、アフターストーリーは絶対に魔法使いを最後にプレイして下さい!!

 

<キャラ別感想>
有栖百合花

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「私は勝つために手段は選ばない。家族だって、友達だって、好きな人だって利用するって決めたの」と素で言ってのけるスーパークレイジーヒロイン様。兄から「正気で狂っている」って言われるヒロイン濃いよー。これじゃあ、ヒロイン視点だけじゃわからないはずだよー!FDありがとー!
なんでもできるスーパーヒロイン様だと思っていたわけですが、サブキャラ視点だと結構脆くて危なげない。猟師とオオカミ君が支えてくれて、感謝しかないです。特に猟師の存在はとても大きいと思います。もし、支えがなかったらと考えるととても怖いです。百合花が堕天せずに、人間にとどめることができているのは、この二人の支えがあったからこそだと思います。...私は百合花をなんだと思っているのか。

 

猟師(cv橋詰知久)

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有栖百合花の兄。
大好き!しんどい!幼少期の立ち絵を見せろ!
努力型の天才で、ある意味普通の人。
猟師編は百合花が産まれる前の猟師の幼少期からはじまり、まさに猟師の成長物語。生まれつき容姿が他人と異なること、両親が医者であることにより、幼少期から劣等感プレッシャーを背負っていた猟師でしたが、百合花という本物の天才が産まれ、自分の居場所を奪われ、妹に劣等感を持つように...(10以上も離れている妹に!!萌える!!)
しかし、両親に構ってもらえず、あまり普通とはいえない環境で、容姿も他人とは異なるという猟師と同じような境遇で育った百合花。百合花を苦手に思っていても、そんな百合花の気持ちをわかってあげられるのは同じ境遇で育った兄の猟師ぐらいで、結局は妹を思い、気遣う姿に萌え禿げます。同じような境遇で育っても、兄妹で対称的だなぁと思いました。猟師は父から容姿(色彩)が異なるのは「個性」だと認められ、百合花はアリスに認められた。百合花は家族をも駒として扱うけど、猟師は父に近づこうと煙草を真似て、それを父に「親子だな...」と言われ、少し嬉しそうだったところ...。有栖家はたしかに普通の家庭に比べると交流が薄すぎて、猟師は父から認められたけど、百合花は手がかからないからって本当に放置だったのかなぁなんて思いました。それなら認めてくれた人に一直線になるのはわからなくもないです。幼少期って本当に大事。
百合花は猟師には懐いてますし、兄と妹に成長できて本当に良かった。有栖兄妹の絶妙な距離感...大好物です。

 

オオカミ(cv花江夏樹)

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ノリも軽ければ頭も軽い、軽率で軽薄で浮ついた男の人だと思ったけど(by百合花)実は頭が良くて、常識人で、人に好かれるタイプの本当に良い友達。本当に良い友達(2回目)。この子のおかげでだいぶアリステアが救われていると思います。男の友情、大事。誘惑されてやるもんか。だって、食べてしまえばその後に殺されるのはオオカミの方じゃないかってセリフに、百合花のことが好きなのに、三人の関係を壊さぬようにあくまでも友達に留まってくれてるの本当に感謝しかないです。ありがとう。でもそんなオオカミ君だからこそ百合花なんかよりもきっと素敵な彼女が良いと思うよ。
真っ当に育ってきた唯一のキャラなので、私達プレイヤーの代弁してくれるオオカミ君、ありがとう。
猟師もなんですけど、結局本当に会いたい人には会えないままなのがなんとも切ないなぁ...。

 

シンデレラ(cv平川大輔)

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繊細でロマンティストな、キラキラ男子☆(もはや女子)シンデレラって普段は頼れるみんなの兄貴分を装ってるけど、恋愛になると女の子よりロマンティストだし、ムードを大切にするし、女の子が思想としているものをやりたがるというか、してくれる。たぶん尽くしたいんだろうな。(比較的に)精神が安定してるので安心ですし、一番幸せにしてくれそう。結婚するならシンデレラさんがいいです!学園アリス編では先生と生徒ですが、これもザ・少女漫画的展開。シンデレラって女の子の理想とするものを与えてくれようとしますけど、これをスマートにこなせれば王子様ですが、シンデレラなりに不器用に悩んでたりするので、どっちかというとやっぱり乙女という言葉が似合います。

 

赤ずきん(cv前野智昭)

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天使。ただの天使。
永遠の厨二病患者。ある意味ヒロイン枠。今回も笑いをありがとう。そして、なんてったって、赤ずきんの百合花はなんとも一番イキイキしていて輝いている気がします。だって、「こんなに面白くて可愛い赤ずきんさんに飽きたりなんかしてません!私はずっと赤ずきんさん推しです!」て。面白いて...。推して...。完全に赤ずきんを掌の上で転がして遊んでるじゃないですか。同意しかないです。いいぞ!百合花!もっとやれーーーー!!!!と私の中の何かが騒ぐぐらいに笑い転げました。赤ずきんの構い倒したくなる可愛さ。癒し。
でもオオカミ君のことを考えると、なんとも複雑で...。オオカミ君はあの結末で本当に満足だったのかな。なんて考えると止まらないので、強制終了します。

 

かぐや(cv増田俊樹)

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笑顔の裏にブラックかぐやん。はんなり笑顔で愛想はいいが、計算高く駆け引き上手。実はプライドが高くて常に人を見下している。よく月に帰りたがる。
↑このツッコミどころ満載の公式の説明文で、いかに愛されてるか伝わってきます。一言で言うと、寂しがり屋の構ってちゃんの超絶地雷メンヘラ男(byアリス)。
本編の衝撃のBADエンドが懐かしい...。めんどくさい男No.1。「どれだけ僕を愛してるのかって証明してみせて」って、まだ言うか!!これ以上何を証明しろと言うんだ!!謝ってるけど、百合花のお腹を見て嬉しそうにしている姿に、いやいや、まったく反省してないじゃん。全然悪かったなって思ってないじゃん。嬉しそうじゃん。はんなりしているように見えて、ヤキモチ焼きで、めんどくさくて、めっちゃ好き。ガチになると(ブラックかぐやん含め)関西弁がとれて敬語になるのが、本気度が伝わって怖いし、「僕は人として、君と一緒に生きて、一緒に死にたい」っていう言葉も、かぐやんが言うと、すごく重くなる不思議。これからもかぐやんの扱いは大変そうだなぁって思います。頑張れ!百合花!!

 

グレーテル(cv江口拓也)

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好きなものはお菓子と姉さん。スイーツジャンキー(byアリス)。
グレーテル君がデブーテル君に...爆笑。大いに笑いました。ありがとうデブテル君。本編で百合花の被害者であったグレテル君が、楽しそうで何よりだなって思いました。猟師編を見た後だと特に。
それにしてもデブテル君になったくらいで、本気でヤンデレ顔でヤンデレ声出さないで欲しいです。笑い転げました。
あと、グレテル君の口説き文句が個人的にキュンとしました。まさかのグレテル君に。不覚。本編では苦手だったグレテル君も好きになりそう。ヤンデレじゃなくて楽しそうなのが良いですよね。

 

白雪(cv蒼井翔太)

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opから猟師編から猟師と白雪ゲーでした。しんどい。猟師は白雪に攻略され、猟師にとっても白雪との出会いは大切で、本当にお互いにとって特別な存在であることがより感じましたし、白雪は全貌を知っているからよりつらい。
色んなところで(opでもありますが)、ルイス・キャロルの"幸せは夏の日に遠く過ぎ、やがて夏の輝きは色褪せる。だけど、僕たちの楽しいおとぎ話に災いを吹きかけることだけは決してさせはしない"って言葉。色んなことに当てはまるとは思うんですけど、私には猟師と白雪のことだと思っちゃうんですよね。あの日はたぶん夏ではないんですけどね。猟師とは鏡の国でしか会えないけど、白雪の猟師は確かにいるわけで...(語彙力)。赤ずきんとのこともなんですけど、本人達も納得してますし、この結末が正しいであろうとは思うんですけど、ただ私は十分には納得していないと言うことだけは伝えておきます。ぷんぷん。
そして、白雪のアフターストーリーですが、本編でハッピーエンドになったからといって、すべてが解決するわけではなく...。特に白雪。トラウマものだったしね。私のトラウマにもなったよね。白雪の芯が一本通っているような男前なところも好きだし、百合花が話した雪のくだりが良い話で、私の汚れきった精神が浄化されました。そして、一番物申したいことは、
白雪が、歌います。

 

魔法使い(cv羽多野渉)

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実は繊細でデリケートでプライドが高くて、過去の恋愛をずるずると引きずるタイプ(by百合花)。まほさんのためにFDが作られたと言っても過言じゃない。ついに黒猫ちゃんがまほさんを倒した!!こじらせ王子がついに素直になり、まほさんの世界に虹が!ありがとー!FDほんとうにありがとー!「私たちは駒じゃない!」ってセリフに、やっぱり私が一番好きな百合花は、まほさんの百合花だなって再確認しました。可愛すぎる。健気すぎる。こじらせてるまほさんだけどね、なんとなくね、私も気にはなってたところだったんですよね。アリスは言い回しが難しかったんですけど、オオカミ君の言葉にまほさんとともに私もそうだよね!と受け入れられたので、やっぱりオオカミ君はこのゲームの救世主だなーって思いました。ありがとう、オオカミ君。こんななんの関係もなさそうなまほさんまでも救ってくれるなんて...。あの一途で好きな人にはとことん尽くすのを、今後は黒猫ちゃんにやるんだと思うと発狂します。アフターストーリーはまほさん最後にやってください!!
あと、学園アリス編なんですけど、まさかの攻略できません。罪な男すぎる。学生服似合わな過ぎて、無理あり過ぎて、笑いました。

 

アリス(cv松岡禎丞)

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とっても自信家でよく喋る少年。最近、引きこもりから脱した。素直じゃない為、好きな女の子にはついつい意地悪してしまう...がすぐに倍返しをくらう。
↑この公式説明文もセンスがあって好き。
屁理屈ばかりのちんちくりんな王子様(by魔法使い)。学園アリス編のアリスの出だしのマシンガントークに、通常運転で何よりだなぁと安心しました。よくあれだけ口がまわるなぁ。まほさんとは別の意味で素直ではないので、押してだめなら引いてみろだと接点がなくなってしまう、兎に角全力投球!押して押して押しまくる!...なーんてオオカミ君が言うものだから、百合花は全力投球でイキイキしていました。「ちょっと、アリス君にカマかけてみようかな」という、乙ゲーヒロインにあるまじき百合花の発言に、震えあがりました。...はて、百合花の全力投球とはいかほど...。
そしそして、アフターストーリーでは、アリスの百合花がかわいい!ですが、絵面を想像すると色々アウト(笑)でも、こんなちんちくりんな王子様でも素直になった時の破壊力が凄まじい。ただただ素直な告白に、大切なところはピンポイントでおさえてて、普段とのギャップにコロッと落ちちゃうダメ男の典型(違う)。